
あなたは一日のうち、どれくらい深く呼吸できていますか?
私たちが暮らす現代の環境は、一見便利で快適に見えても、実は知らず知らずのうちに「酸素不足」になりやすい条件がそろっています
大気汚染や都市のヒートアイランド現象、エアコンの効いた室内での長時間生活、運動不足、そしてここ数年のマスク生活——これらはすべて、体のすみずみに十分な酸素が行き渡りにくくなり、慢性的に酸素不足に陥る要因となっています
酸素が不足すると、疲労の回復や集中力、美容や健康の維持にも少しずつ影響がでてきます
この記事では、そんな“現代型酸素不足”の背景と、私たちの体にどんな変化をもたらすのかを、わかりやすく解説していきます
現代の生活環境は“酸素不足”になりやすい理由
私たちの体は、深く呼吸をして酸素を全身に行き渡らせることで、エネルギーを作り出しています
ところが現代の生活環境は、この“酸素をしっかり取り込む”機会をじわじわと奪っています
気づかないうちに、私たちは慢性的な酸素不足に陥っているかもしれません
大気中の酸素が減っている
地球の大気に含まれる酸素濃度は、昔よりもわずかに減ってきているといわれます
産業化や森林減少などの影響で、標準とされる約21%からさらに低い環境に住んでいる地域もあります
ほんの数%の違いでも、体には少しずつ負担となり得ます
大気汚染の影響
排気ガスや工場からの排出物、PM2.5などの微粒子は、呼吸とともに体に入り込みます
こうした汚染物質は、肺の機能を低下させたり、深い呼吸を妨げる原因になります
きれいな空気を吸えていると思っても、都市部では酸素の取り込み効率が下がっていることも珍しくありません
エアコン中心の室内生活
冷暖房が効いた室内は快適ですが、空気の入れ替えが不十分になりがちです
酸素濃度は時間とともに低下し、二酸化炭素が増えていきます
長時間換気をせずに過ごすことは、知らないうちに“酸素の薄い”環境に身を置いていることになります
運動不足による呼吸の浅さ
デスクワークやスマホ操作など、長時間同じ姿勢でいることは呼吸を浅くします
本来、深く息を吸って肺の奥まで空気を届けるべきところが、胸や肩での小さな呼吸になってしまい、酸素摂取量が減ります
マスク生活の影響
感染症対策で続いた長期間のマスク生活も、酸素不足を助長しました
マスクを着けていると、自分が吐いた息に含まれる二酸化炭素が一時的にマスク内にこもり、吸うときに外気と混ざって再び体内に入ります
通常の不織布マスクや布マスクでは完全密閉ではないため危険なほど二酸化炭素が増えることはありませんが、外気に比べるとやや酸素濃度が下がった空気を吸い込むことになります
その状態が長時間続くと、酸素の取り込みが少しずつ減り、特に長時間の装着や運動時には息苦しさや集中力の低下を感じやすくなる場合があります
人のいない場所や休憩中にはマスクを外して深く呼吸し、新鮮な酸素をしっかり体に取り込むことが大切です
意外な盲点かもしれませんが、コロナ禍で免疫力への関心が高まった一方で、長時間のマスク着用が酸素不足を助長し、その結果として免疫力低下につながっていた可能性も否定できません
特に運動不足やエアコン下での生活と重なることで、さらに酸素の取り込み量が減り、体のコンディションに悪影響を与えていたのかもしれません