酸素ボックスは医療機器ではない!|医療用酸素療法との違いと注意点を徹底解説

「医療用酸素療法」と「酸素ボックス」の違いについて調べても、専門的な説明ばかりで分かりにくいと感じたことはありませんか?

 

実際、この2つは目的も方法も大きく異なりますが、難しい言葉で説明されることが多いため、読み手にとっては理解しづらい部分もあります

 

この記事では、できるだけシンプルに

 

  • 医療用酸素療法と酸素ボックスの違い

  • 酸素ボックスを使う際の注意点やリスク

  • 初めて利用するときに安心できるポイント

 

について、専門用語はできるだけ使わず、わかりやすくまとめてみました

 

 

医療用酸素療法と酸素ボックスの基本的な違い

 

医療用酸素療法とは?|治療目的で使われる酸素吸入

 

医療用の酸素療法は、病院などの医療機関で 低酸素状態にある患者を対象に行われる治療です



たとえば 肺炎やCOPD(慢性閉塞性肺疾患)、心不全などの患者に対して、血中の酸素濃度を回復させる目的で酸素を投与します

 

 

具体的には 酸素マスクや鼻チューブ(カニューレ)を使って、酸素濃度を40%〜60%ほどに高めた空気を直接肺に送り込みます



医師がモニターで血中酸素濃度(SpO₂)を確認しながら、24時間体制で吸入量や濃度を厳密にコントロールしている中、治療として行われます

 

なお、医療用にも“ボックス型”の高気圧酸素装置が存在しますが、これらはあくまで医師の処方と管理のもとで使われる医療機器であり一般利用はできません

 

 

酸素ボックスとは?|健康維持・リラクゼーション向けの器具

 

健康器具としての酸素ボックスは、気圧を最大1.3気圧まで高めた密閉空間に入り、酸素濃度を最大30%まで高めた空気を自然に吸い込む仕組みです(製造元・販売元により違いがあります)



医療用のようにチューブから酸素を直接吸入するわけではありませんが、気圧と酸素濃度の組み合わせにより、通常より多くの酸素を体に取り込める状態をつくることができます

*【酸素ボックス】についてはコチラの記事もどうぞ

酸素ボックス|仕組みと効果
 

医療用と酸素ボックスの違いをまとめると

 

つまり

 

  • 医療用は「酸素が極端に足りない人に、酸素を“治療として”届けるもの」

  • 酸素ボックスは「健康な人が、酸素を“体のメンテナンス目的で”取り入れるもの」

 

目的・方法・管理体制のすべてが異なるということです

 

 

酸素ボックスを使う前に知っておきたい注意点とリスク

 

気圧変化による耳抜きトラブルに注意

 

気圧が上がることで耳が詰まったように感じたり、痛みを感じる場合があります

 

特に耳抜きが苦手な方、中耳炎の既往がある方は注意が必要です

 

 

なお、耳抜きが難しいという方には「気圧変動対応」の耳栓が市販されています



こうしたアイテムを利用することで、不快感をやわらげながら安心して酸素ボックスを体験できるでしょう

 

 

持病や体調による利用制限について

 

高血圧・心疾患のある方は使用を避けるべき場合もあります

急激な気圧変化が体に負担をかけるため、医師に確認することが推奨されます

 

また、妊娠中・閉所恐怖症の方は基本的に利用を控えていただいています

安全性や心理的ストレスの観点から、利用を避けていただいていますが、妊娠中に関しては、妊娠前から継続して利用しており、かつ状態が安定している場合には、絶対に禁止というわけではありません



その際は、必ず主治医に相談し、細心の注意を払いながら利用することが大切です

 

 

さらに、ペースメーカーや糖尿病など持病がある方も、利用を避けるべき例とされています

国産メーカー「タイムワールド」の公式情報によると、酸素ボックスは以下のような方のご利用は推奨されていません

 

  • ペースメーカーなど体内埋め込み型医用機器を使っている方

  • 妊娠中の方や妊娠の可能性がある方

  • インスリン等を投与する糖尿病の方

  • 耳抜きができない方(気圧変化が体調に影響するため)

  • その他、心臓疾患や感染症など持病のある方

 

これらの方が使うと、体調を崩すリスクや機器への影響が生じる可能性があり、酸素ボックスはセルフケア用途には適していないという判断になります

※ ここで言う「機器への影響」とは、ペースメーカーなど体内に埋め込み型の医療機器が、気圧変化によって誤作動を起こすリスクを指しています

万が一の事態を避けるため、こうした機器を使用している方は酸素ボックスの利用を控えるよう注意喚起されています

 

しかし、糖尿病に関しては酸素ボックスとの相性が良く、ポジティブな報告も多くあります

わたくし酸素あびるちゃんの見解としては、「一律で利用を制限するのは勿体ない」と感じています

*酸素あびるちゃんの体験記はコチラの記事もどうぞ*

酸素ボックス利用歴1年で、ヘモグロビンA1cが6.3から5.6に下がった
酸素あびるちゃんの実録!!

*糖尿病について、わかりやすくまとめた記事はコチラ*

医師に「糖尿病予備軍です」と言われて不安になったら読む記事
糖尿病の知識がゼロでもわかるように、解説しました!

 

すでにインスリンを投与している方であっても、必ず主治医に相談したうえで、「1.1気圧・30分から」などの低負荷で慎重に始める という選択肢も考えられます

 

 ※ 医療用酸素機器ではないため、病気の治療効果は期待できません

 ※ 長時間・高頻度での使用は逆効果になる場合もあります

 

 

過度な利用で体調を崩すリスクもある

 

酸素の過剰摂取(過換気状態)や疲労感の増加などを招く恐れがあるため、適度な使用が重要です

→ これは、私が実証済です

最初、毎日6時間入っていました(酸素ボックスの中で寝ていました)が、調子が悪くなりました(笑)



その後、毎日3時間入っていましたが、調子が良かったです♪

更に、今は夜1時間・朝1時間 の合計2時間利用していますが、これまた、調子が良いです♪♪ 

朝、入ることでお肌の調子がとても良いように感じています

 

 

酸素ボックスの仕組みと安心して始めるためのポイント

 

高濃度酸素と高気圧がもたらす効果

 

酸素ボックスでは 室内の酸素濃度を通常の大気(約21%)より高い 30%前後に調整しています



高酸素濃度と高気圧の環境下であるという相乗効果によって、体内に「溶解型酸素」が増えるとされており、血液中の酸素が赤血球だけでなく血漿にも溶け込むことで、毛細血管のすみずみにまで酸素が届きやすくなるのが特徴です

 

*溶解型酸素について、わかりやすくまとめた記事はコチラ*

酸素にまつわる雑学!! 結合型酸素と溶解型酸素について
結合型酸素と溶解型酸素について

 

その結果、呼吸が楽になったと感じたり、筋肉の緊張がやわらいだりといった変化を感じる方がいらっしゃいます

 

 

利用後の体感や効果には個人差がある

 

しかし、全員がはっきりとした体感や劇的な変化を感じるわけではなく、リラックスや疲労回復を後押しする感覚に近いといえます

 

利用後に「すごく体感があった」と話す方もいれば 、「特に何も感じなかった」という声もあります

むしろ、初回は何も感じない方の方が多いです



しかし、これは個人の感じ方や身体の状態によるもので、大きな変化を感じなかったからといって効果がないということではありません

深部の疲労回復や質の良い睡眠のサポートなど、数日かけて変化を感じるケースも多くあります



一時間のご利用で、3日間は酸素が身体に満たされているため、日常生活で何かしらの体感を得る方が多いのも事実です

 

 

低圧から始めて慣らさる安心ステップ

 

はじめてのご利用の方は、ご希望であれば低圧の設定でスタートすることも可能です

いきなりの高圧が不安な方や 耳抜きに不安がある方は 、1.1気圧や1.2気圧といったやさしい設定からスタートできますので、無理をせずに気持ちと体を慣らしていってください

(1.1気圧は「水深1メートル相当」の圧力にあたります)

 

気圧が上がる際には、飛行機の離陸時のように耳が詰まったような感覚になりますので、「耳抜き」が必要になります



また、セッション終了後に気圧を戻すときにも同様の状態になるため、苦手な方は無理のない圧から少しずつ慣らしていくことが大切です

 

この低圧の段階でも 血流の促進や軽いスッキリ感を得る方もおられますので、徐々に慣れながら 自分の体調や好みに合わせて調整していける柔軟さも 酸素ボックスの魅力と安心感といえるのではないでしょうか?

 

 

まとめ

 

私が健康器具としての【酸素ボックス】をオススメしたいのは、健康なうちから使うことで酸素不足による未病や不調を防ぐことができるからです



逆に、病気になってしまってからでは使えないケースもあるというのが、悩ましいポイントでもあると感じています